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2021.09.07

研修医に知っていただきたいショーケースポートフォリオとは

 

初期研修医は2年間の研修終了までに、32種類の症候や疾患についてレポートを作成することが義務付けられています。

 

私はかつて信州大学医学部附属病院で研修管理委員長をしていましたが、当時とても残念だったのは、このレポートを作成する意義が研修医の皆さんには必ずしも理解されていないことでした。

つまり、2年間の研修終了間際になって、やっつけ仕事でレポートを作成する人が数多く見られました。これではとても十分な考察は書けませんし、学習効果も少なかったように思います。

 

 

さて、研修医の学習成果を総括的に評価するにはその人のポートフォリオを見せていただくのが最適です。

しかし、いくら大切なことととは言え、病院で業務を行いながら上級医が研修医のまとめたポートフォリオすべてに目を通すことは現実的ではありません。

 

 

このような際に、研修医の皆さんにぜひ知っていただきたいのが、ショーケースポートフォリオという概念です。

ショーケースは商品の陳列棚の意味です。

つまり、自分が勉強した成果をできるだけ短く、しかし、その努力が最大限にわかるように、人に見せる、具体的にはA42ページ以内にまとめることなのです。

長くする必要ありません。1ページでよければ、その方が良いと思います。とにかく研ぎ澄ましたものにしてください。これこそが、研修医の皆さんに書いていただきたいレポートなのです。上級医も助かります。

 

定められた32課題はこれから生涯を医師として働いていくために習熟しておくことが必須な疾患や症候ばかりです。それらを経験して、もう少し勉強しておこうと思った時こそ、まだ知らない知識を貪欲に取り込む最良のタイミングなのです。このチャンスを逃す手はありません。

 

当院では、研修医が当該症例を経験した場合には2週間以内にレポートを提出できるように、こちらの指導体制を充実させたいと思っています。また、毎月症例報告会を設けて、研修医の学習の成果を発表していただき、実りある研修ができるようにしようと思います。

 

かく言う私自身も、久しぶりに臨床医に戻ったので、今は必死で勉強し直しているところです。最近私の作った脳卒中のショーケースポートフォリを添付します。皆さんの評価をお願いします。

 

                   

 

 

研修センター長 多田剛