2021.12.27
サンクスギビングデイの秘密
アメリカにはサンクスギビングデイという休みがあります。
日本語で言えば収穫祭で、稲刈り後のお祭りみたいなものです。
ニューヨークのパレードは有名で、ピカチューの大きなバルーンがよくテレビで映っています。
この休みがなぜアメリカで大切な日になったのか?私が留学先で世話になっていた日本人の先生から聞いた話は次のようでした。
昔、アメリカ大陸の東海岸にヨーロッパ人が移り住んだ頃は東海岸にもインデアンの人々が多く住んでいて、お隣同士で仲良く暮らしていたそうです。
移民たちが凶作で冬に死にそうになった時にインデアンの人たちから食べ物を分けてもらって、飢えを凌いで生き延びた。そのことを感謝してサンクスギビングの日ができたのだということでした。
いい話だなと思ったし、今はもうすっかり忘れてしまいましたが、確かに東海岸の地名には、インデアンの有力な酋長の名前の山や川がたくさんありました。
たしか近くを流れていたコネチカット川のコネチカットもインデアン由来の名前だったと記憶しています。
ある日、アメリカ滞在中、私がサンクスギビングの日に、お世話になっていた教授の家に御呼ばれした時に、そのディナーの隣席のアメリカ人にこの話をしたところ、「え?知らない。そうなの?」と言って、「あなたは知ってる?」と別の人にも聞きましたが、その人も、「えー、知らなかった。」と言っていました。
私はその時は、「なんだ、本場のアメリカ人も知らないようでは、これはいい加減な話なのかな?」と思っていました。
以来、この話は、自信がなくなり、他人に一度もしたことがありませんでした。
それから何十年も経ちましたが、今回この記事でサンクスギビングデイのことを書くに当たり、アメリカ大使館のホームページを調べたところ、以下のような文章を発見しました。
なんと、外国人である私の友人の言っていたことが正しくて、上記ネイティブのアメリカ人2人は知らなかったのです。びっくりでした。
https://americancenterjapan.com/aboutusa/monthly-topics/2060/より
新しい入植地での1年目は大変厳しいものであった。彼らは自らをピルグリム[訳注:北アメリカに移住し植民地を築いた清教徒の一団]と呼んでいたが、その大半がイギリスの都会の出身であり、荒野で暮らす術を知らなかった。彼らの多くは森を恐れ、狩猟の腕もなかった。イギリスでは狩猟は貴族だけのものであり、一般の人々にとっては、獲物を銃で撃つことは罰金や処罰の対象であった。また、彼らがこの地に到着した季節は多くの農作物を育てるには遅すぎた上に、彼らが持ち込んだ植物は新天地の気候に合わなかった。イギリス産の小麦の種は、植民地の土壌では発芽しなかった。最初の1年で植民地の住民の半数が病死し、もし先住民のワンパノアグ族インディアンの助けや指導を受けることがなければ、全滅していたと思われる。
正しいことを知っているはずと思っている人が知らず、そう思っていない人が真実を知っていた。
聞くだけではダメなんですね。根拠は自分で調べないと。今回よくわかりました。
多田 剛
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